銀行の支配者が儲かる理論上の仕組みは、「民間銀行が行っている詐欺」の項で理解していただけたと思います。そこで、この項では、実際に銀行がどれぐらい儲かっているのかをデータに基づいて紹介したいと思います。
上のランキングは、EDIUNETが作成した日本の上場企業の2013年度の業種別平均純利益率です。見て分かるように銀行・信託業が8.65%で1位です。
148社もありながらこの数字というのは、特定の銀行・信託業だけが儲かるということではなく、詐欺の手法が仕組みとして完成されており、それに従って金を転がせば絶対に儲かるようになっているということです。
「銀行の仕事だって大変なんだ!」と銀行の従業員は言うでしょうが、銀行は国債を購入するだけで絶対に大儲けできるという事実を知っていれば、創造的な仕事に就いている他業種の人たちからは総スカンを食らうでしょう。
また、銀行の仕事が辛いのは、必要のない罵倒やノルマや冷酷な態度が占める部分が大きいのではないでしょうか?私の知り合いも、そこそこ有名な某大学を首席で卒業し、某メガバンクの出世コースの支店に配属されましたが、すぐに辞めました。本来、銀行は預金確保と決済の仕事を主として、必要があれば融資するぐらいのあまり儲からない仕事であるべきです。無理して儲けようとするから、従業員や融資先に対して冷酷になってしまうのです。
他の項でも繰り返し述べていますが、そもそも民間銀行は、国と法的には国の支配下にある中央銀行とが強力に支援しなければ成り立たないものです。金融が社会全体によって作られた重要なインフラであるだけに、そこから民間銀行だけが莫大な利益を吸い取るというのは詐欺以外の何ものでもありません。
やはり、理想を言うならば、インフラ系の企業は全て国有企業にして、その利益を国民に還元すべきでしょう。(もちろん、これには「国が正常に機能するのであれば」という但し書きが付きますが…)
上のデータは、世界に誇る日本の3大自動車メーカーと、世界に恥じる日本の3大メガバンクの比較です。出典はUllet。(横に並べるために画像が小さくなっているので、画面を拡大すると見やすいと思います)
3大自動車メーカーといっても、純利益で言えばトヨタは群を抜いていて、2013年、2014年、2015年と純利益トップを守っています。しかし、そのトヨタでさえ2011年、2012年は三菱UFJと三井住友に負けているのです。本田は2011年こそギリギリ三井住友とみずほには勝っていますが、三菱UFJには負けています。日産に至ってはこの5年間一度も3大メガバンクに勝っていません。
自らの発想と技術で高性能な物を追求し続ける製造業と、他人の金を転がして増やす金融業と、どちらが尊敬に値するかと聞かれれば、私なら疑いなく製造業を選びます。
しかし、大変残念なことに、純利益で3大メガバンクに勝てる企業はトヨタなどのごくわずかな僅かな例外を除いてありません。
上の表はUlletが作成した日本の上場企業の2015年の当期純利益のランキングです。ご覧のとおり、トヨタ以外ではソフトバンクが4位に食い込んでいるだけで、あとは3大メガバンクに及びません。しかも、ソフトバンクや日本電信電話などの情報通信業も、国が整備したインフラを寡占利用して成り立っている仕事なので、本来は銀行と同じく国有化して国民に利益を還元すべき業種です。つまり、インフラを独占寡占することで成立する業種を除けば、3大メガバンクに対抗できるのはトヨタのみということです。そのトヨタでさせ業績が悪化した時には負けるわけですから、いかに銀行が儲かるか分かるでしょう。
他人の金を転がして増やす金融業が一番儲かる世界でいいのでしょうか?このような世界では、人々は他者を利用して楽して儲けることばかり考えるようになり、本当に価値のある物を生み出せなくなっていくに違いありません。ですから、正直、誠実、努力が必要とされる仕事が、尊敬はもとより、金銭的な価値にも反映されるような世界にしていかなくてはなりません。
さて、いままでは日本の話でしたが、世界規模で考えるとどうなるのでしょうか?
ここに、2015年の世界の巨大企業の純利益トップ100のリストがあります。100まで分析すると大変なので、ここではトップ25までを紹介します。
なお、純利益の数字の単位は10億ドル≒1000億円です。million(100万)の表記はサイトの間違いで、正しくはbillion(10億)です。
★を付けたのは銀行です。トップ10で見ると、そのうち2,4,6,7,8,10位を銀行が占めています。銀行が純利益ランキングの上位を占めるという傾向は、日本でも世界でも同じということが分かります。
それにしても、1位のVodafone Groupはとんでもない強さです。2位の2倍以上にあたる10兆円に近い純利益を叩きだし、断トツのトップです。
これも公共の通信インフラを寡占して生み出した利益ですから、本来は人々に還元されるべき冨なのです。やはり、公共のインフラを独占寡占する企業が純利益ランキングの上位に食い込むという傾向は、世界的なものということです。
ちなみに、日本で1位だったトヨタは、世界で見ると自動車会社では1位ですが、総合では15位という結果でした。
もちろん、これはあくまで一例なので、他のサイトでは違う統計が見つかるかもしれませんが、これは世界規模で見ても銀行および公共インフラを独占寡占する企業がいかに儲かり、いかに人々から搾取しているかが分かる良い資料になるでしょう。
さて、簡単に誰でも手に入る情報で純利益で世界の企業を比較してきましたが、もちろんデータには載らない裏の世界はあると見るのが当然でしょう。
たとえば、個人と会社の籍をタックスヘイブン(税金逃れの地)の国に置き、上場もせずに莫大な利益を生み出していたとしても不思議ではありません。
「911」の項で説明したように、アメリカのような超大国を支配する者たちがいる以上、彼らが事件を起こし、相場を思いのままに操作すれば、事前の仕込から、いくらだって金を増やすことができるでしょう。それはインサイダー取引というやつですが、強者は罰せられないため、御咎めなしです。
ですが、裏情報を手に入れるのは危険を伴いますし、世界の真相を深く探ったところで私たちにできることは変わりません。
なにより、表にある情報だけでも、どのような世界を創っていくべきなのかの方針は立ちますから、それで十分なのではないかと思っています。銀行やエネルギーや通信会社といった公共インフラを独占寡占する業種よりも、製造業などの創造的な業種がもっと報われる世界を創らなければなりませんね。
表の情報では2015年ぶっちぎりの世界一の純利益を生み出したVodafone Groupについてのおまけ情報です。
Vodafoneの本社は、イギリスのイングランドのバークシャー州ニューベリーにあります。
上はvodafone自身の拠点がある国を表しています。vodafone単独では、思ったより国際展開していません。しかし、提携している会社を含めると↓
↑のような類似性が指摘されていますが、何も関係がないことを祈ります(^_^;)
あまり深追いしても意味がないので、Vodafoneについてはこの辺で。