世界の狂気に気付くまでの足跡

あれは僕が19歳のときでした。大学生活にも慣れ、時間的にも精神的にも余裕のあった僕は、「なぜ戦争や貧困が解決できないのか」という幼い頃に抱いた重大な疑問への答えを真剣に探し始めました。全ての社会問題に関わる「お金」について知れば答えに辿り着くと考えて経済学部を志望した時から、こうなることは決まっていたのでしょう。

 

それまでは、誰からも納得のいく答えを得られなかったにもかかわらず、答えを探すこともせず、分かったような気になって自分の趣味に没頭していました。

 

調査を始めた当初は右も左も分からず、ただただ「この世界は何かが決定的に狂っている」という直感を頼りに、様々な情報に触れていきました。

 

まず、最初に調べてみたのは南京大虐殺の真相でした。この事件の真相が真っ先に気になったのは、左翼系の社会科教員に囲まれた高校時代(苦笑)に東中野修身の「南京事件 証拠写真を検証する」や小林よしのりの「ゴーマニズム宣言」をチラッと読んだことがあり、虐殺肯定派と虐殺否定派との間に完全な歴史認識の相違が存在することがとても印象的だったからでしょう。しかし、いかに楽しく遊んで生きるかしか考えていなかった無責任な高校時代の僕は、南京大虐殺の真相が気になりはしましたが、あまり深追いはせず、調査を開始する日まで記憶の奥底で眠らせていたのでした。