次に、1980年から2012年までの日本政府の歳入と歳出の推移をグラフに表した。(2012年分は推定値)
グラフ3 (注1)
グラフ3より、1980年から2012年までの間は、1988年から1992年までを除いて日本政府の歳出が歳入を上回っていることが分かる。1991年から2012年までを詳しく見るためにグラフ4を以下に作成した。
グラフ4 (注1)
グラフ4より、1991年以降の歳入は同程度の期間と幅で増減を繰り返し、結局は2012年時点で147兆5275億1000万円となっている。この水準は1991年の151兆2252億円を若干下回っている。また、歳出は1991年の143兆483億5000万円から1997年の若干の減少を除いて2000年の190兆317億円まで増加した後、2004年の170兆5175億円まで減少したが、その後は2007年と2010年の減少を除いて増加している。2012年の歳出は過去最高の195兆1464億2000万円に上ると予想されている。2007年から2009年にかけての歳出の約20兆円の増加は、2008年9月に起きたリーマンショックへの対応のためだと考えられる。この時、逆に歳入は約20兆円減少している。また、2011年から2012年にかけての歳出の増加は2011年3月に起きた東北大震災の影響と言える。
このように、1980年から2012年の間で歳入が歳出を超えた時期はごく僅かで、一節のグラフ1にみえる1992年からの名目GDP成長率の鈍化に合わせるように、1993年以降は歳入が歳出を上回る年は無く、大きく下回る年がほとんどになった。つまり、どこかからの借り入れで歳出が歳入を上回った分を埋め合わせてきたのだ。
注釈
(注1)出典:International Monetary Fund, World Economic and Financial Surveys, World Economic Outlook Databaseより作成。
(2013年1月15日閲覧)