三章:問題解決への提言

 一章で述べたように、現在の税収では政府が国債を完全に償還しようとするのは不可能であるし、また、そんなことをする必要もない。逆に、そんなことをすればとてつもない信用収縮を引き起こし、かつてない規模のデフレ大不況が発生する。


 その一方で、このまま国債発行を続ければ、国債価格暴落と国債金利高騰、および企業の連鎖倒産や個人の自己破産を誘発しかねない為替と物価の変動リスクを常に抱えなければいけない。


 したがって、日本の民間資産から国債をできるだけ減らしてリスク解消をすると共に、これ以上の金利付きの国債発行を停止し、国の発展を維持するための財政政策の財源を国債以外の手段で獲得する必要がある。


 私は、これらすべてを見事に達成できるだけでなく、不況と貧富の差の解決にも効果的な方法を本章で提案する。


一節:全銀行と保険会社の国有化


二節:税制改革による所得再分配の強化


三節:金融統制資本主義へ